もし京都の一方通行を全て無くしたら…

一方通行の有無で、都市の近接中心(Min-max、エリア内の全ての交差点で、最もアクセスに不利な場所をカバーできる出発点)はどれくらい変わるでしょうか?

Min-sum distant crossing in Kyoto の記事の内容を別の指標:Min-maxで見たものです。

Min(最小)-max(最大)はつまり、最大maxのもの(距離)がもっとも小さい、最小Min、という指標です。ある交差点からもっとも遠い交差点を探し、距離を測ります(max)。これをすべての交差点ごとに探し、記録していき、その再遠距離が短い順に高く評価します。

これは、たとえば救急車の出発点として考えると、もっとも不利な人(遠い交差点にいる人)までの、距離がもっとも短い(Min)出発点であり、その不利な人を救える出発点、といえることができます。緊急性があり、アクセスに不利な人までも救うの必要のある施設配置の指標として考えることができます。

下の3図は左から、京都一方通行街路の分布(赤色一方通行、青色双方通行)、京都近接中心性(一方通行あり)、京都近接中心性(一方通行無しと仮定した場合)

京都一方通行街路分布 京都近接中心性(min-max)一通有り 京都近接中心性(min-max)一通無し
(c) OpenStreetMap contributors, CC-BY-SA

一方通行を運営することで、都市の所々で2点間の距離が引き伸ばされ、Min-max近接性の高い交差点が少なくなり、南へ中心が移るのを見ることができます(南部に高速道路が入っていることも要因の一つです)。右端の図のように、一方通行を全て解除すると、Min-max近接性の高い(スペクトラム色の高い・赤い)交差点が増えよりエリアの中央へ中心が移動します。

Min-Max近接性の高い交差点、上位100京都近接性MiniMaxTop100
(c) OpenStreetMap contributors, CC-BY-SA