商店群との連携度、立地評価

地域活性化の施策において、空き店舗をどのように活用すべきか、ということは課題のひとつとしてあげられます。すべての空き店舗を同時に開店させることができない場合、「どのような順番で開店させるべきか」を検討するひとつの指標として、その空き店舗の位置が、現行の商店群とどれほどの潜在連携力を持っているかを調べます。空き店舗を飲食店として開店させる場合を想定して考えてみます。

青梅MST飲食_plot
まず現行営業している飲食店の位置から、各店舗を効率よく回れるコンパクトなネットワークを算出します。このネットワークは、計画整備されたいわゆる「商店街」ではなく、都市生活における「実質的な商店街:飲食店ネットワーク」と見ることができます。

青梅MST飲食_betweenness

次にこの飲食店ネットワーク上ですべての店舗同士を行き来した場合に、もっとも通過する可能性の高い(媒介度の高い)部分を把握します(赤い色ほど媒介度が高い)。

評価は次の2点を考慮します。

  1. 各空き店舗の位置が、現行飲食店ネットワークの上にあるか、ある場合はその媒介度はどれくらいか
  2. 空き店舗の位置が、現行店舗ネットワークの上に無い場合、最寄の飲食店ネットワークまでの距離はどれくらいか

空き店舗・飲食店舗連携度ネットワーク評価媒介中心性2

以上から下表のようにランキングすることができます。

ランク 名称 店舗ネットワークまでの距離(m) 店舗ネットワーク上での媒介回数 媒介度
1 空き店舗20 (1F) 0 388 0.0203035
2 空き店舗18 0 195 0.0102041
3 空き店舗17 0 195 0.0102041
4 空き店舗6 0 195 0.0102041
5 空き店舗15 0 195 0.0102041
6 空き店舗5 8.62567 0 0
7 空き店舗21 (2F) 9.05941 0 0
8 空き店舗4 12.7377 0 0
9 空き店舗10 18.0383 0 0
10 空き店舗16 23.9923 0 0
11 空き店舗19 26.6929 0 0
12 空き店舗7 34.3636 0 0
13 空き店舗8 35.0693 0 0
14 空き店舗14 46.6175 0 0
15 空き店舗9 56.4529 0 0
16 空き店舗12 89.1597 0 0
17 空き店舗13 90.5761 0 0
18 空き店舗2 98.4031 0 0
19 空き店舗3 108.706 0 0
20 空き店舗1 113.317 0 0
21 空き店舗11 185.331 0 0